第28号「楽しい日本語(その3)」(2012年10月12日配信)

 今回は、天下のNHKのお粗末な日本語から始めたいと思います。大分前からマスコミの変な日本語が気になっていましたが、続出するとは思わなかったので書き留めておきませんでした。民放はもっとひどいのですが覚えておりません。
 平成24年10月9日の朝6時台のNHKのニュースで、3人組の強盗の報道をしておりました。そこで「一人は20代で何色のズボンをはいて………もう一人は30代でどんな服装で………50代の男が混じっていた………」との日本語に奇異な感じがしました。「混じっていた」とは大量の中に少量、あるいは大きい物の中に小さい物が紛れ込んでいるという感じではないでしょうか。「50代の男が一緒だった」なら分かるが「混じっていた」は無いだろうと思います。

 一方、家内の名言も蓄積されてきました。息子の分もありますがまとめてお話いたします。
男子平泳ぎの北島は、今回のロンドンオリンピックでは400mメドレーリレーに第2泳者として出場し、2位から1位へ押し上げて第3泳者へバトンタッチしました。堂々の銀メダルで、力は衰えていなかったと思います。まだまだ北島商店のほうが湯島天神より効き目があるということで話しが弾みました。

 ※これに関しては、我が家だけの事情があります。北京オリンピックで北島が金メダルを取った後、息子の受験に際し家内がその勝負強さにあやかろうと、早朝彼の実家の北島商店まで出かけたのです。そして開店前のお店のシャッターに受験票をスリスリこすり付けてお願いしました。結果は予想をくつがえして見事に合格だったので、北島商店を勝手に北島神社と名づけて、その後何か願い事があれば開店前のお店までお参りに行くようになっていたのです。

 私が「湯島天神がいくら効き目があったって定員以上の受験生にお参りされたらどうしようもないよな。神様だって困っちゃうよな」と言うと、家内が「湯島は受験生の98割(キュウジュウハチワリ)は行くよね。だから北島神社(=北島商店)は穴場なのよ」と、北島神社に対して揺るぎない信頼をおいているようです。家内は中学生までは数学は得意だったと言っていたのですが………
 
 TVの料理番組でよく言われている「味を調える(ととのえる)」とはどうすることなのか、いまだに我が家の誰もがわかりません。食べ物に関する名言も出てきました。
 あるとき最近野菜を食ってないと感じたので「今日は野菜炒め食いたいな」というと「また野菜炒め?」「また?って言うほど食ってないよ。ウチは野菜『ぶそく』だよ」「シチューに入れてるから『ぶそく』してないよ」という応えでした。単独の時は「ふそく」と言っておくれよ、と思いました。
 私が研修に行く日の朝、家内がおにぎりを作ってくれました。「おにぎりに何入れた?」「ユーカリだよ」。ユーカリってあのコアラが食ってるあれか?あんなもの食えるのか、と思うと共に、ユーカリの粉末でも買ってきたのか、どんなものなのか見たくなりました。銀紙ラップを少しはがしてみたら「ゆかり」という名のいつも使っている「ふりかけ」でした。
またあるときは、TVで脳天気ギャルが大きなロブスターを見てキャーなどと叫んでいるのを見て「わー、大きいブロスター…でいいんだっけ?」と、この時は少し謙虚でした。

 反対に、謙虚さのかけらも無く自信たっぷりに喋りまくることもあり、現実にはこちらの方がずっと多いのです。以下は家内と息子の自信たっぷり版です。
我が家では、金遣いの荒い息子が不良にならないように厳しいしつけが大切、ということでJRのスイカの履歴をださせています。駅ナカの売店で食い物を買った時「物販(ブッパン)」と表示されますがそれを見た家内が「このブッパイは何なの?何を買ったの?」とけたたましい声を上げました。息子は勢いに押されて声も出ずという状態でした。

 息子の登場ついでにもう一ついくと、漢検準2級で足踏みの息子、「この辞書のボンレイ………」という奇妙な発言をしています。見てみると案の定「凡例」でした。ハンレイだと教えると、平凡のボンじゃん、と信用しません。辞書で確認してやっと納得したのですが、これでは当分2級は無理かなと思いつつ、ナットクするまで自分で確認するのはいい傾向だ、と誉めてやりました。


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