第33回「楽しい日本語」(2011年4月29日)

だいぶ昔ですが、総理大臣に対し、大根の値段を知っているかと質問した議員がいます。総理大臣がそんなことを知っている必要があるでしょうか。私も、灯油や頭痛薬の値段などまったくわかりません。その議員は、口紅の値段や自転車のパンク修理代を知っているでしょうか? この時の議長が誰だったか覚えていませんが、くだらない質問は控えるように、と言って欲しかったと思っています。

数年前、政治家の漢字の読み間違えが話題になりました。話題となった漢字が難しいものか常識的なものかはおくとして、質問する方も質問を考えるべきだと思います。歴代の総理の中には英語の不得手な総理も数学の不得手な総理もいたと思いますが、「この英単語の意味分かりますか?」「この計算解けますか?」といった質問はなかったと思います。当然のルールではないでしょうか。

同様に、漢字の不得手な総理に対して「この漢字読めますか?」はないだろうと思うのです。トップには、そんなことよりはるかに重要な資質が求められているのであり、それはこのたびの大震災で明らかになったと思います。

この時は、ニュースをよく見る家内が「私、この字読めるよ。漢字って書けなくても読めるよねー」などとしゃべりだし、我が家も一時賑やかになりました。家内は漢字や諺が得意ではなく、ときどき間違えては私にからかわれていたので、本当は漢字を知っているとアピールしたかったのかも知れません。

その日の夜、勉強に身の入らない息子に対し、いつもどおり延々と家内の小言が続きました。家内は、最近読んだ本から「偉大な数学者のガウスが計算係を雇わずに自分で計算していた」という話を持ち出し、最後に「じどうにコツコツやらなきゃだめよ!分かった?」とビシッと〆(しめ)たのです。


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