第9回「身近なトコロで景気判断」

 私たちが、企業を監査する場合も、財務状況を分析する場合も、まず決算書や確定申告書といった財務関連書類の分析は不可欠です。しかし書類だけ分析してそれで十分ということはまずありません。
 会社の実態を把握するには、決算書の成績が、いかなる会計基準、会計処理方針に基づいて算出されたのか、成績の背後にはどのような事業計画があったのか、また諸外国との関係や景気の状態はどうだったのか等、内部・外部環境を考慮しつつ決算書に表れた数値を読み解いていかなければなりません。

 そこで、今回は企業の評価にとって重要な要因のひとつである景気の判断指標についてのお話しをしようと思います。
 会計士の仕事では結構出張が多く、ホテルで参考資料を調べることは多々ありました。ところが高級ホテルならそういうこともないのかも知れませんが、普通のビジネスホテルの照明は、読書をするには余りにも薄暗いのです。
1990年代の、バブルがはじけて、景気が落ち込み始めた時代の話ですが、出張先のホテルの枕元の電気スタンドでは、本を読むにはあまりに暗すぎました。スタンドにかぶさっているカサを取り払えば明るくなるのではないかと気づいて、カサをはずしたのです。
が、カサを固定していたネジが予想外に簡単に外れたのです。この時の私の指は、ネジが落っこちるという意識の下にはなかったので、ネジを強くは挟んでいませんでした。そのためネジは指の間を滑り落ち、一旦ベッドの支柱にぶつかって、ベッドと壁とのスキ間に消えてしまいました。


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