第５８話 いろいろな通販
通販では何度か失敗しています。大分昔の話ですが、カタログ雑誌で手頃な小物入れ用のタンスを見つけました。写真が掲載されており、縦・横・高さのバランスも色合いも好みにぴったりでした。サイズは１２０×１９×３８ｃｍでちょうどいい大きさです。早速注文しました。 数日後に小さな段ボール箱が届きました。何だろうと思って開いてみたら、まぎれもなく数日前にカタログでみたあの箪笥なのですがやけに小さいのです。まるでミニチュアです。カタログを読み間違えたか、と思って確かめましたがカタログよりはるかに小さいのです。しかしサイズを測ってみてやっとわかりました。１２０はｍｍ、１９と３８はｃｍ表示だったのです。
カタログの制作者は平気でｃｍ表示とｍｍ表示を混在させ、しかもｍｍ表示をｃｍ表示と誤解させるような表示方法で一部にのみ単位をつけていたのです。私は当然単位は統一されているとの認識でｃｍと判断したのです。このカタログの制作者は読者を騙そうとの悪意があったか、さもなければ数的なセンスがまるでない人間だったわけです。叩き壊してやろうかとも思いましたが踏みとどまって家に置いてあります。しかし小さすぎて大して役には立っておりません。
その少し後に同じ通販業者のカタログで、西ドイツ製というビジネスバッグを購入しました。サイズの単位も確認しました。今度は箪笥と違って、形も大きさもカタログの写真・記載と同じでした。が、カタログとは違ってツヤがまったくなく栄養分の抜け落ちた出し殻みたいで見るからに安っぽく、一目で人工皮革と分かり、とても使える代物ではありませんでした。
今度は怒りを抑えきれませんでした。カバンの取っ手を取り付けてある細長い板状の金具をコンシンの力でねじったら簡単にくにゃっと曲がってしまい、完全に使用不可の状態になったので迷うことなくゴミ箱へ突っ込みました。そしてこれを契機としてこのカタログ誌から決別したのです。そしてしばらくは通販なしの生活でしたが、買い物時間も取れなくなって通販業者を利用するようになり、もう１０年くらいになります。
金曜日の夕方「見本」というゴム印が必要となり、まず思いついたのが自転車でいける距離のホームセンターでした。行ってみましたがそこでは売っていませんでした。
時々利用している、近所の名刺印刷も兼業している汚いハンコ屋に行くと、「土日は工場が休みだから早くて火曜日引き渡しです」というのです。何というノンビリぶりかと腹が立ったがやむを得ず注文しました（ゴム印その１）。
帰宅後、通販を思い出し、パソコンで捜したら「見本」のスピードスタンプというのがあって、これが翌日発送とあったので、ゴム印その１とダブってしまうのですが、翌日にはどうしても手に入れたかったので発注しました（ゴム印その２）。発注した後、パソコン画面を良く見たら土日は休日で発送しないとの記載に気づきました。取り消そうとしましたが「自己都合のキャンセルはできない」ということでした。
金曜発注だから配送日の月曜日まで３日もあり、発注直後の金曜日のキャンセルですから先方は発注手続き前の筈です。キャンセルに何の問題があるのでしょうか。自分の都合だけで動いている極めて高慢な態度であると感じました。
翌日の土曜日、ためしに駅前のハンコ専門店を覗いたらリーズナブルな値段で売っていたのです。一日も早く使用したかったので購入しました（ゴム印その３）。結局ゴム印を３個も注文（購入）したことになります。
月曜に通販から届きましたがもはや不要の品です。火曜日に汚いハンコ屋に受取りに行ったら煙草の箱くらいもある、みたこともない馬鹿でかいゴム印で2,500円も請求されたのには驚きました。ケースに並んでいた400円程度の「速達」や「入力済」や「請求書」といったゴム印と同タイプのものが欲しかったのです。小ざかしいこのくそ親父め、こんな店から金輪際何も買わないからな、と心に誓いました。泣きっ面にハチとはこのことだと思いました。
通販は、便利なようでさほど便利ではないという思いがあります。「スグクル」のように、当日発送がウリなのに土日はしっかり休むのでは、急ぎの時には間に合いません。土日が休日であることをもっと大きい文字でパソコンに示せと言いたいです。
このようなわけで、腹の立つことが多くなり、やむなく購入を停止し、なじみの店がどんどん減っていきます。そのうち買い物できる店がなくなってしまうのではないかと心配です。私が頑固になってきたのでしょうか。
手前味噌で恐縮ですが、当事務所は夕方５時前までの受注なら必ず当日にクロネコで発送しています。土曜の注文でも、午前中の受注なら当日中にクロネコの速達便で送りますから日曜にお届けできます（北海道・九州・沖縄・島部等は少し遅れます）。送料、振込手数料とも当事務所で負担しております。是非「おもしろ会計」をお買い求めください。