第19回「一枚の伝票」(2011年1月21日)

前回は長すぎました。今回は一枚の伝票と題する短めの、会計伝票(仕訳伝票)にまつわるお話をします。

若い頃、伝票の背後には取引があり、取引の背後にはドラマがあると教わったものですが、この経験により、改めて本当にそのとおりだなと感ずるに到りました。

経理関連資料の中でもマル秘中のマル秘である確定申告書と比べると、ペラペラの仕訳伝票はどうしても扱いが雑になってしまいます。過年度の確定申告書は金庫や書架に保管されていますが、伝票はダンボールに詰め込まれて倉庫に保管されているのなら良いほうです。
トイレ脇の隙間、階段下のスペース、屋上に内緒で造った物置小屋等にガラクタと一緒に置かれていたりします。下手をすると、綴じ穴が破れて綴りの束から抜け落ちて段ボール箱の底でクシャクシャになっているかも知れません。

ある会社のワンマン社長が、多額の会社の預金を私的に費消したことが発覚し、背任容疑で取調べを受けたのですが、「抜いたカネは返すつもりだった」と言い張り、あれこれ追求しても、頑として自分の利得とする意思、あるいは会社に損害を与える意思(図利加害)を認めないのです。


続きは「こんなの初めて!おもしろ会計」をご覧ください!


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