第76回「腹が立ったこと」(2012年3月16日)

最近腹の立つことが多くなったように思います。忍耐力がなくなって些細なことに立腹している、などということではないのです。笑って済ませられない事態にちょくちょく直面します。

大分前のことですが携帯にセールスのメールが入るようになりました。ほうっておいたら週1回程度だったのが毎日になり、さらに日に数回になり最後は日に数十回来るようになりました。挙句の果てにはこの送信者から「多くのメール送信で通信に支障をきたしているので損害賠償の対象になります」という誠に意味不明のメールが飛び込んできたのです。アドレスを変更したら来なくなりました。

そしてつい最近、信じられないほど厚かましい電話を受けてしまいました。「XYZの○○です。先生からご承諾を頂いた事務所の広告、来月発行の雑誌(←この部分はメモを取らなかったので記憶に拠ってます)に載りますので(広告料)よろしくお願いします」という広告料詐欺の電話です。相手があまりにも落ち着いているので一瞬そんな契約したかなと必死で記憶を思い出そうとしました。

相手の言う雑誌だか新聞だかの名称を確認しようとしましたが「経済誌(経済紙)です、経済誌(経済紙)です」と繰り返すばかりで全く要領を得ないのです。「そんな依頼をした覚えはない」と言うと「電話でちゃんと承諾いただいてます。」「電話したのはいつ?」「12月下旬です」念のため手元の手帳を確かめましたがそんな記載があるわけがありません。「頼んでませんね。そんな広告いりません」というと、彼は「了解とってるんだから今更いらないなんて駄目です」と言ってガチャーンと電話を切りました。

どんな体裁になるのか確認もなく、料金の取り決めもないままに広告を依頼するはずがありません。あまりにも意外な電話を受けたので思考が停止してしまいました。後で考えたら余りにも常識はずれの電話でした。ウチの電話番号をどこで入手したのか考えました。少し前に地元の埼玉新聞に広告を載せたのですが、これを見たのではないかと推測されました。同業の先輩が同一日に同一紙に広告を載せていたので確認したらやはり同一人と思われる似たような電話があったということでした。本当に油断も隙もありません。

振り込め詐欺のニュースを聞くたびに「ウチにも詐欺電話来ないかな。来たらウンとからかってやるのに」などと云ってたら広告料詐欺の電話が来ちゃったというわけです。警察にとどけようにも相手からの電話は非通知、会社の住所も不明なのです。今度電話が来たら担当者の姓名、会社の住所、電話番号をきちんと確認して、警察へ届けるつもりです。長引く不況で彼らも必死なのかも知れませんが、それにしても余りにもお粗末かつ腹の立つ話です。

商売するなら電話番号非通知ということはないだろう。こんな馬鹿げた制度を認めているNTTもおかしな会社だ。挨拶もなく人の家に上がり込むような所業を後押しするのか。自分の番号を知られたくないのなら公衆電話を探して使え。自分の身許を明かさず電話したいならそのくらいの労は惜しむな、と言いたい。腹が立ったので言葉が乱暴になりました。読者の皆様に怒っているわけではありませんのでご了解ください。

NTTに関しては、他にもいくつか不満があります。メールの通信料の一部を受信者が負担させられているのも納得がいきません。携帯が普及して公衆電話が少なくなりましたが、最盛期には画期的な公衆電話機もありました。何が画期的かというと、百円玉が使えるのですが、お釣りが出ないのです。お釣りを出さない商売を当然のようにやれたのはNTTくらいのものではないでしょうか。本当に歴史に残る名機だったと思います。この電話機は今でも稼働しているのでしょうか。


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