第71回「こんな人がいるなんて」(2012年2月4日)

 今回はちょっと品が無いかも知れませんが、そうそうあることではありませんからご勘弁ください。

 最近はITが発達してどこへ行ってもカード、カードで面倒くさくて仕方がありません。銀行・郵便局は勿論、図書館も病院も市役所もデパートも地下鉄もクリーニング屋もスーパー銭湯もカードをくれるのですが、正直言って嬉しくありません。邪魔で仕方がないのです。でもこれがないと用が足せません。カードは箱にほうり込んでおき、その日使うヤツだけ持って出かけるようにしています。
 それ以上に困るのが、パスワードです。パソコンにウイルスソフトを入れるにも会員ページを閲覧するにもネットショッピングするにも何をするにもパスワードが要求されます。さらに加えてユーザーIDだの暗証番号だの、果ては自転車の番号カギまで、覚えにくい無意味な英数文字の目白押しで頭がパンクしそうです。

 パスワードを要求する側(以下、管理者と云います)も、利用者が忘れた場合に備えていろいろ考えているようで、質問&回答形式で登録するケースがあります。例えば
質問:飼っているペットの名前は? 答:みーこ 
質問:小学生の時の初恋の人は? 答:あやめちゃん
といった具合です。
 確かにこれだとパスワードを忘れた時、管理者に問い合わせて質問を教えてもらえば、本人ならば間違いなく答を思い出せますから、管理者にも利用者にも便利な方法です。

 最近、無料サーバーとその管理サービスの利用を申し込むに際し、この形式でのパスワードの設定を求められました。私は、真剣に考えて考えてとうとう絶対忘れないパスワード、誰も想像しないパスワードをひねり出すことに成功したのです。それは
   質問:キ〇〇マ と チ〇〇コを足して2で割ると? 回答:キンポコ
というものです。どうです?これなら絶対忘れないし、誰も想像もしないでしょ?

 慎重な私はさらに少し考えました。絶対に忘れないとは思いますが、万が一ということを考えておかなければいけません。もしこのパスワードを忘れて電話で問い合わせをして、担当者が若い女性だったら…。データを調べてこんな質問が出てきたら私も恥ずかしいけど女性も困るだろう、と思いました。しかし、こんな素晴らしい究極のパスワードを使わない手はない、よもや忘れることはないだろうと思い切ってパソコンに打ち込んだのです。そしたら何と!ごく短時間の間があってその後驚くべき文字がパソコンに現れたのです。「バカなパスワードは止めなさい」「品位を欠くので再考してください」などとと出たのではありません。

「そのパスワードはすでに使用者がいますので登録できません」と出たのです。

本当に驚きました。すごい奴がいると思いました。こんなパスワードを考え付き、しかも利用している下品な人が他にいようとは!!日本は本当に広いなと思った次第です。


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