第68号「こんなものがなぜ高い」(2013年7月20日配信)

第64話でもふれましたが我が家の水槽では金魚が元気に泳いでいます。事情があって綺麗なほうの金魚を近所の保育園にあげたりしてとうとう1匹になってしまいました。残った一匹は全く綺麗ではありませんが、やはり情が移ってきて長生きして欲しいと思います。

金魚が大勢だった頃から水槽には水草を入れておりました。この水草がここ数年異様な高値なのです。以前は都内に住んでおり、学芸大学前駅の商店街で水草の安い店がありました。名前はわかりませんが細い葉がビッシリ生えた水草で、10本くらいが1束で200円でした。2~3束入れてやると金魚は大喜びで食べていたものです。2ヶ月くらいで茎を残して全部食べたらまた新しいのを入れてあげるのですが、安かったのでどうと云うことはありませんでした。

数年前上尾に引っ越し、近くのホームセンターでも250円位で買えました。しかし程なく東日本大震災が発生し、「被災して入荷しなくなった」と云うことで値段が398円と大幅に跳ね上がったのです。それ以来全く下がりません。自転車で行ける範囲の大型ホームセンターのペットショップはどこも高値のままです。しかも量的に大幅に減量されています。少ないというより情けないほど貧弱です。水を充満させた細長いビニール袋に入れて高級品であるかのごとく売っているのですが、水の中に2~3本(束ではありません)がパラーッと漂っているだけで398円なのです。

あまりのボッタクリに腹が立ち意地でも買わないのですが、金魚がかわいそうです。ネットで探すと、幹線道路沿いに大型の熱帯魚専門店が何店かあり、いくらか安いようなのですが、さすがに自転車では行けません。その後も必死で探してやっと近所の園芸店で「ほてい草」と云うのを見つけました。これまでの細い葉の美味しそうな水草と違い、丸い肉厚の葉で食べられそうもありませんが1株が98円と安いのです。2株入れたら水槽が一杯になる大きさで、ビニールの水草よりはるかにいいだろうと思い、やっと気分的に落ち着いた所です。

ただ難点は、この水草の根が黒くて細くて異常に長くてもじゃもじゃして見た目が良くないのです。脇の下がモジャモジャの体操選手がいましたが、あれよりもっとすごいのです。ファンの女性の中には「小さな虫になってあのモジャモジャの中に住み付きたい」という気持の人もいるらしいのですが私には理解できません。

「こんなに長くなくてもいいだろう」と、根をムシって半分くらいの長さにしたら、水草の元気がなくなって緑だった葉が薄い茶色に変わってしまい、要するに2株とも腐ってしまいました。ほてい草は3株買って水槽には2株だけ入れて、残りの1株は別の入れ物で保管していましたが、これが元気に大きく育っていましたから急遽水槽に戻しました。1株でちょうどいい具合です。

それにしても、上尾の人々はこのボッタクリの水草を飼っているのでしょうか。ホームセンター内のペットショップは潰れずに経営を続けていますから不思議です。学芸大学前駅の商店街に行って沢山買い込んで自分で栽培しようかと本気で考えています。


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