第65号「がんばれ東洋医学」(2013年6月28日配信)

人間は二本足歩行になってから腰痛に悩むようになったのだそうです。確かに私の周りにも腰痛持ちの人は大勢います。

お年寄り同士の話は病気や健康の話しが多いのですが、通常声がとても大きいので聞くつもりがなくとも聞こえてきます。それによるとあそこの病院はいいとか、どこそこの病院の誰先生が素晴らしいという話はあまり聞きません。逆に、あそこの病院名はダメとか全然良くならない、といった話のほうが多いように感じます。総じて多くの人が病院で診て貰ったものの良くなっておりません。

時には腰痛が治ったという人がいて、そういう人は何処で治したのかというと、決まって温泉に入ったり、鍼灸師や整体師の治療で良くなったという話になるのです。

かく云う私も腰痛で悩んだ時期がありました。勿論病院で治ったのではありません。病院にも行きましたが、紹介状なしで診察を受けるとペナルティのようなものをとられます。それだけ格が高いのかも知れませんが、その割にはレントゲン検査をして、ウーンとうなって「加齢によるものかも知れない。痛み止めを出して様子を見ましょう」という定型的な診断しかしません。場合によっては「悪くなるようだったらMRIを撮りましょう」という一語が加わるだけです。

私は整体治療院で大分良くなりました。唯一の問題は治療費が高いということです。なぜ高いのかと言うと健康保険が利かないからです。保険が利く整骨院等もありますがそこではマッサージの時間が10分程度で異常に短いのです。保険制度上の制約があって保険をを利かせるためには時間を10分程度に短縮しないといけないのだそうです。50分とか1時間のマッサージを受けたかったら保険の利かないところへ行くしかないのです。

何と云う理不尽な制度でしょうか。満足できる治療が出来ない医療機関は保険が利いて、効果のある整体治療は保険が利かない、ということです。保険が利くケースもあるが治療時間が制限されるのです。

ただ、保険の利く医療機関で処方箋で漢方薬を指定するところが増えてきたように思います。昔は漢方薬には保険は利かなかったという記憶しかないのですが、この記憶が正しいとすれば、漢方薬の効能が理解されてきたと云う事でしょうか。薬だけでなく治療そのものについても東洋医学のよさがもっと認められるようになって欲しいと希望しております。


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