第62号「全然実がない柿の枝」(2013年6月8日配信)

これまで3回にわたって、丸坊主にされた柿の木が徐々に芽を吹いて回復してきた感動のお話しをいたしました。同じテーマを3回も続けることに対してかなり恐縮したものですが、ぜひともこの超感動をお伝えしたかったのです。今回懲りずにシリーズ4回目と云うことで、これはもうここまで来ると私もけっこうずうずうしくなったなと思いますがぜひきいて下さい。

その柿の木ですが、枝葉がぐんぐん伸びて今では柿の木を包むように小さな森が出来たような感じです。が、よくみると葉っぱだけなのです。そろそろ直径1cmくらいの黄緑色の柿の実が出来ているはずなのですが、全く見当たりません。これでは今年はあの超美味の甘い柿は食べられそうもありません。葉っぱでも食うしかありません。

柿の葉っぱはよく見ると肉厚で美味しそうですが食えるのかな、と考えていたらハタと思い出しました。勤務していた監査法人に、都心部に複数の不動産を所有する資産家のご子息の同僚がいて、彼は「柿の葉は天ぷらにするとウマくて、しょっちゅう食っていた」と言っていたのです。

世の中は自分の思いどおりにはいきません。ですから不幸なときもめげないで、転んだらついでに何かを拾って起きる、災い転じて福となす姿勢が大事だと思います。柿の実が出来ないのは残念ですが、柿の葉っぱの美味しい料理法がわかれば大きな収穫となります。いろいろやってみて上手くいったらそのレシピをご紹介いたしますので是非お楽しみにお待ち下さい。

ところで話しは変わりますが、我が家の柿の木は昔からすこし変な所がありました。夏の終わりから秋にかけて葉っぱが紅葉し始め実も色づき始める頃になると、なぜか2回目の新しい緑の葉っぱが生え、天に向かってぐんぐん伸びていくのです。もちろん2度目の枝には実がなりません。

いかにも場違いな葉っぱで間抜けでみっともない状況になるのです。1度目の葉っぱが散り始める頃に紅葉し、冬までには散ってしまうので最後は落ち着く所に落ち着くのですが、実も付けずただぐんぐん伸びて赤くなって散るだけの2回目の枝葉は何なのだろうと思っていました。何のために生えてくるのかサッパリわかりません。柿の木に元気がありすぎるのか土の栄養がよすぎるのか、それとも温暖化のせいなのか今でも分かりません。とにかく不思議な柿の木なのです。

このように我が家の柿の木が、実のなる枝と葉っぱだけの枝とが繰り返し生えてくる木だとすると、今回は間違えて全部切ってしまいましたが実のなる枝がちゃんと生え、次の葉っぱだけの枝も今現在十分に伸びているわけですから、来年はまた実のなる枝が伸びるだろうと思います。明るい見とおしの下、来年に期待したいと思います。

追記:前回の楽しい日本語(その4)を読み返してみてビックリしました。最後の家内の言葉ですが、これだけでは意味が通らない!と云うことに突然気がついたのです。家内は、電気ポットを使い終わったのちコンセントからプラグを抜かない私に対して怒りで興奮して「ぜっちゃいやっちゃい…」と言った、と云うところで説明は終わっていました。これは「絶対やっちゃいけないことなのよ」と言うつもりだったという説明が抜け落ちていました。申し訳ありませんでした。以後気をつけます。


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