第48号「マスコミよりネットで」(2013年3月2日配信)

 毎日のようにPM2.5のニュースが流れています。マスコミは中国のよどんだ風景を写し、九州や西日本でも高い数値が観測されたとか中国から飛来している可能性が高い等と伝えております。テレビにかじりついているわけではないので見落としているのかも知れませんが、このPM2.5というものが全く新しく発生した恐ろしい物質なのか、三、四十年前には日本でも当たり前に発生していた物質なのか、一向にわかりません。

 クルマや工場の排ガス等を発生原因とする非常に細かい粒子と云うことですから昔の日本でも発生していたのではないかとも思います。クルマ社会のアメリカの特にロサンゼルスのスモッグが当時は有名でした。日本でもハイオクガソリンに含まれる鉛が排ガスとして排出されるとかで大騒ぎになったこともありました。すり鉢の底のような地形の新宿柳町交差点で鉛濃度が高いということで、その辺一帯の地価が下がったりしました。

 かつて日本で発生したクルマの排ガス公害の時と全く同じ物質が今中国でも発生して海を越えて飛んでくる程度ならそんなに心配要らないのかとも思います。が、昔の公害では存在しなかった微粒子で、肺の奥まで進入してくるということになると大いに心配でもあります。きちんと調べたら分かるのかもしれませんが、単にニュースを聞く限りでは心配が要らないのか、対策が必要なのかサッパリ分かりません。必要な情報はある程度は繰り返し伝えて欲しいと思います。

 ここで思い出したのが東日本大震災後の瓦礫問題です。被災地では処理能力をはるかに超える瓦礫を抱え込み、復興が遅々として進まないということ、直接震災の被害を受けなかった地域の行政が瓦礫処理を引き受けようとしたのに、強硬に反対する一部住民がそれを妨害したとこと等が報道されました。しかし一方で、復興が遅れているのは瓦礫処理が進まないせいではなく再興のプランが遅れているせいであるとか、高いコストをかけて瓦礫を遠くに運んで処理する必要などないのではないかとか、復興の足手まといにしかならない役所の許認可・横ヤリ等の話もいろいろ聞こえてきました。そして、瓦礫の放射能汚染が低レベルで安全と云うのが本当なのかウソなのかさえ正直わかりません。

 例によって信用できる報道がないのです。我々は、表現の自由が保障されない国、報道規制された国を遅れた国と馬鹿にしていますが、当のわが国の報道もにたようなものではないかと云う気がします。今は時間がないので手が回りませんが、いずれ瓦礫の問題もPM2.5の問題も、真実を知るには自分で調べるしかないと感じています。しつこいですが日本のマスコミは本当に役に立ちません。


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