第37号「いよいよ選挙」(2012年12月14日配信)

 待ちに待った選挙です。いつものことですが慎重に選んで投票するつもりです。候補者は一体どこで演説しているのか、私の家の近くには誰も回ってきません。

 ところでいつも思うのですが、私が学生だった頃の30年以上前からマスコミは、国民の政治離れが深刻だとか無関心層が増大したといった報道をしてきました。そして選挙のたびに投票率が上がったとか下がったとか大ニュースのように伝えてきました。彼らはなぜ投票率にこだわるのでしょうか。
 1970年代にオイルショックに端を発して狂乱物価へとオオゴトが続いた時期があり、このとき投票率が大幅に上昇したことを鮮明に記憶しています。

 そうなんです。国民と云うものは特に不満がなければ投票所へ行かないものなのです。尻に火がつけばほうっておいても投票に行くのです。投票率が低いということは悪いことでもなんでもなく、逆に投票率が高いことこそ問題なのかも知れないのです。ちょうどこの頃、スイスでは国会議員(だったと思いますが記憶が定かではありません)の選挙の投票率は30%台程度である旨の記事を見かけ、納得したものです。

 その一方で、自治体(選挙管理委員会?)も何とか投票率を上げようと毎回苦心しているようです。私はちょくちょく住所を移転してきたのですが、選挙のたびに国民の貴重な税金を使って軽飛行機を飛ばし、「皆さん、明日は○○選挙の投票日です。忘れず投票いたしましょう」と拡声器で空から呼びかける自治体が多かったように思います。
 マスコミも自治体も考えを変えられないものでしょうか。投票率を上げようとか下げようとかと云うこと自体が無益な考えだと思います。投票率が高かろうが低かろうが選挙管理委員会の責任でもなんでもない。投票に行くかどうかも、誰に投票するかもすべて国民が決めることです。選挙管理委員会は事務処理・運営を落ち度なくやって選挙・投票をスムーズに終了させればそれで十分なはずです。選挙管理委員会の仕事はそれ以上でも以下でもない。国民がとった行動の結果は淡々と受け入れればそれでよいのです。

 政党が多すぎてどれを選んでよいか分からない、ということで棄権が多く投票率が低くなるかも知れないなどと一部のマスコミは報道しています。政党が少なければ少ないで「いいのがいない、ふさわしいのがいない」、多ければ多いで「多すぎて誰を選んでいいか分からない」というのでは救いようがありません。マスコミの報道どおりなら、残念な話です。
 このような者達を、軽飛行機から拡声器で呼びかけて投票所へ送り込んだところで何の益もありません。選挙権と云うものは真面目に考え真剣に行使すべきものだと思います。わけのわからないまま投票すべきではないし、無理に投票所へ駆り立てる必要もないと思います。

 無法国の漁船の体当たりを立証できるビデオがあるのにを国民にも相手国にも示さなかった政治家を再び選ばれてはたまりません。無法国からなめられ、無視されても何の危機感もないような政府はこりごりです。かつてないような政府による失政の数々で国民の不満は極限まで高まっており、今回は投票率が高まると思います。今回こそ本気で日本国民としての気概を示さなければと考えています。それから軽飛行機を飛ばして投票を呼びかけるのはやめて欲しいと思います。どこも未曾有の財政危機ですから。


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