第34号「マスコミ不信」(2012年11月25日配信)

 最近、マスコミに対する不信の念が高まってきてしまいました。報道姿勢がおかしいと感じます。どこもかしこも同じ事件を取り上げており、カメラのアングルまでみな同じですから、こんな放送局なら多数ある必要はありません。一つあれば十分です。
 最近下火になりましたが一時のなでしこジャパン騒ぎは異常でした。朝から夜まで一日中登場しました。ファンには嬉しいことでしょうが、本当にいい加減にして欲しかったです。私は、当初は好きでも嫌いでもありませんでしたが、あまりにしつこいヒイキ報道で、そのうちなでしこそのものが嫌になってしまったという感じです。
 日本国民に元気を与えたそうですが、国民栄誉賞を出すほど大多数の日本人が感動したのか疑問に思います。恵まれない環境下で結果を出したスポーツ選手は他にもたくさんいるし、何よりも他の国民栄誉賞と比較して、戦績が見劣りします。トップの地位を維持することが格段に難しく価値があるわけですから、もう少し連勝記録を続けてからでも遅くなかったと思います。落ち目内閣の人気回復に利用されたとしか思えません。
たまには辛口の評価がほしいコメンテーターなのに、ただひたすら「素晴らしい、明るいニュースですね」などと追従するばかりでした。政権の人気挽回の為の利用について触れた人は私の知る限り一人もいませんでした。

 平成24年10月30日の某局のニュース報道にはあきれました。米国東海岸に上陸するハリケーンをしつこく報道していましたが、しつこく報じる割に肝心の気圧や風速を全く触れなかったのです。ですからどのくらい巨大なのか、かつての伊勢湾台風のような規模なのか、あるいはそれを上回る超巨大な規模なのか見当が付きませんでした。
 日本の台風が今後は巨大化するだろうと国民に注意を喚起したかったのかも知れませんが、朝7時のトップニュースがなぜ米国のハリケーンでなければならないのでしょうか。米国のテレビ局が朝7時のトップニュースで日本の台風を伝えたら米国民は何というでしょうか、非難が殺到するでしょうか、それとも目くじら立てずにユーモアでやり過ごすでしょうか。

 やっと涼しくなってきて良かったと思っていたら、TVの天気予報でまた驚きました。予想気温に応じて各地を色分け表示しているのですが、気温の高い順に橙色⇒黄色⇒黄緑色⇒青⇒白⇒紫という流れでした。昨日は九州・四国が青色で中部・関東が白色で示されていましたが、私には青のほうが気温が低いと感じられます。実に奇異な感じがします。橙色⇒黄色⇒黄緑色⇒白⇒紫⇒青あたりが自然ではないでしょうか。白い氷が分厚くなってくると青みを帯びてくる、日本の雪や氷は白だが、極寒の極地の氷は青味がかっている、というイメージなのですが………。

 この決定をしたのは放送局ではなく気象庁かも知れません。原発事故での情報隠しという歴史に残る一大汚点は、気象庁ではなく政府の責任だと思いますが、しかしそれ以前からこの役所はおかしいという感じがありました。僅か二、三十センチの津波の予測をさも最重要な情報であるかのごとく、東日本の海岸線を延々と何時間もTV画面にはりつけにし、ピコピコ点滅させていました。このことが「津波情報なんてたいしたことはない」という感覚を国民に植えつけたのではないかと思っています。


前号 最新号 バックナンバー一覧 次号
第33号はお休みいたしました。