第25号「ぷよぷよ血豆」(2012年9月21日配信)

数年前から右の脇の下に血豆のようなものが出来ました。触るとぷよぷよしてかわいいのです。痛くもないしずっとほっておいたのですが今年の夏の猛暑で状況が変わりました。どうしても冷たい飲み物をガブガブ飲んで汗をかくので体がベタベタします。きれい好きな私は毎日2~3回風呂に入り、脇の下を念入りに洗っていたらとうとうヒリヒリと痛むようになってしまいました。

脇の下はリンパ腺があるからここからバイ菌でも入ったら大変だ、と思って駅前の皮膚科にとんで行きました。そしたら切除が一番いい、ということでJ医科大皮膚科宛の紹介状を書いてくれました。息子の頭部打撲でS玉医科大では大変な目に遭わされたので、医科大には注意深くなっております。とりあえず、セカンドオピニオンを求めることにしました。

家内が最近イボをとってもらって経過がよかった大宮の開業医に行きました。そしたら「老年性のホクロで、ほっといても何の心配もない」のですが「折角きたのだから処置しましょう」ということで冷凍何とか法で治療してくれたのです。液体窒素か何かをブラシのようなもので脇の下に塗りつけて患部を冷凍させるので、表面の皮膚(ほくろ)が死んで剥がれ落ちる、ということでした。

医者の言うとおり10日くらいできれいに消えたのですが、当初はプヨプヨしたホクロはやわらかくて中に血が入っているようなので、これが破れたらバイ菌が入るのではないかと内心不安でした。そこでほくろが消えるまでの10日間、毎日体温を測っておりました。というのも若い頃、脇の下からウイルスが入って微熱が続き体調不良となり抗生物質をいろいろ変えてでやっと退治した経緯があったからです。

今回も微熱が続き、平熱35度5分くらいなのですが36度から37度の間をいったりきたりで多少不安でした。ただ倦怠感もないしセキも出ないし、ウイルスでもなければ風邪でもない、わけが分からない状況でした。そのうち同じ脇の下なのに右と左で体温が0.5度違うことに気付きました。冷凍治療をした方の右の脇の下で測ると高いのです。

若い頃から右半身だけ汗をかくことがあったので、生まれつき左右で体温が違っていたのかも知れません。暢気な息子が左右を使い分けたら便利だよと言い出しました。低い体温を示したいときは左の脇で測って健康を主張し、高い体温を示したいときは右で測って熱があるので休みます、とやれば好都合ではないかというのです(こいつめ、学校をズル休みしたいという潜在意識がありそうだな?)。

不安で近所の内科医に診て貰ったら「微熱といっても36度台だし、左右の体温差も小さいし許容範囲です。心配要りません」ということでした。翌日ごろから右の体温も下がってきて、左右同じ平熱になってしまいました。左右不均衡の有効活用は夢と消えてしまいました。でも、今回はあわてて血豆手術を受けなくて正解でした。ふたつ合わせると、私の人生もそうそう悪いことばかり続くわけではない、雨もいつかは止むということだな、と思いました。大変な不景気ですが元気をだして頑張ります。


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